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「なぜ?」と聞いてはいけない理由

 

 

知らないと損する!? 原因論と目的論の違い

 

私たちは職場や日常生活でよく「なぜ?」という問いかけを使います。

それは自分自身への問いかけだけでなく、他人にもよく尋ねる質問です。

 

「なぜ、そんなことしたの?」

「なぜ、そんなことが起きたの?」

「なぜ、自分はうまくできないの?」

「なぜ、あの時、あんな行動をとってしまったの?」

 

原因を探るこのような質問は、一見すると問題解決への第一歩のように思えます。

しかし、「なぜ?」と問い続けることが、時に自分や他人を追い詰め、問題解決を妨げることがあるのをご存じでしょうか?

 

今回のブログでは、メンタルサポートの側面から「なぜ?」という質問がどのようにして私たちを行き詰まらせるのか、そして代わりにどのような問いかけが有効かについて考察します。

 

 

 

ー 目 次 ー

 知らないと損する⁈ 原因論と目的論の違い

「なぜ?」は犯人探しに変わることがある

解決に結びつかないことがある

原因論と目的論のバランス

「なぜ?」に代わる問いかけ

       

 サポートにおける目的論の活用方法

目的論が有効なわけ

目的志向のアプローチ:自信を高めるためにどうするか?

まとめ

 

「なぜ?」は犯人探しに変わることがある

原因を探ること自体はとても意義のあることです。

しかし「なぜ?」という質問が、時として「犯人探し」「責任追及」のように感じられることがあります。

 

たとえば、失敗や問題が発生したとき、「なぜ、こうなったの?」と問われると、相手は防御的になり、自己防衛や他者に責任を押し付けようとすることがあるかもしれません。

さらに、「なぜ?」という問いに対する答えが納得いかない場合、さらなる追及が続き、原因探しにばかり焦点が当たってしまいます。結果として、問題解決に向けたエネルギーが失われてしまうのです。

 

 

解決に結びつかないことがある

過去の原因を掘り下げることが、必ずしも解決策につながるわけではありません。問題の原因を知ったとしても、その知識が具体的な行動変容や未来の目標達成に役立たなければ、結果として停滞してしまうことがあるからです。

 

特に、原因が嫌悪感や焦り、恐怖といった感情的かつ本能的な反応に基づく場合、原因を追求することが解決に繋がらないことが多いです。

例えば、「やりたい」という意識があるのに、体が思うように動かないといった経験はないでしょうか?

 

これは、自己防衛本能が働いているためです。恐怖や不安を感じると、脳は「危険を避けろ」と信号を送ります。この反応は本能的に起こり、体が思うように動かなくなることがあります。このような場合、原因を探るだけでは本質的な解決には至らず、むしろその恐怖を増幅してしまうことがあるのです。

 

メンタルトレーニングやスポーツの分野では、「なぜそうなったのか?」と過去の原因を探ることよりも、恐怖や焦りなどの感情を受け入れ「今、この瞬間に何をすべきか」に焦点を当てることが重要です。

未来に向けた具体的な戦略や行動目標を立てることが、たとえ時間がかかっても、最終的に成果をもたらす確実なアプローチです。

 

 

原因論と目的論のバランス

カウンセリングやメンタルサポートの現場では、「原因論」から「目的論」への移行が見られる傾向があります。

その背景には、以下のような理由が考えられます。

 

  • 原因論

「過去の出来事」や「トラウマ」が現在の問題にどのように影響しているかを探る手法。

原因追求することで、システムエラーの修正やプロセス改善に役立つ。

例:機械の修理、品質改善、プロジェクトの失敗分析、医療ミスの分析、自己理解と受容

 

  • 目的論

「未来の目標」や「解決策」などポジティブな側面に焦点を当てる手法。

クライアントの強みやリソース(資源)を活用して、現実的で実践的な解決策を見つけることに役立つ。

例:ストレス管理、不安対処、スキルアップ、行動促進、未来志向の行動計画

 

 

原因論はシステムやプロセスの改善に有効ですが、必ずしも人に対するアプローチとして最適とは限りません。

とはいえ、原因論が全く不要というわけではありません。

特に、過去の経験や深い感情的な問題が現在の行動や思考に強く影響している場合は、その原因をしっかり理解することが重要です。

ただし、原因を理解することにとどまらず、その先にある「どう進むか」という未来的な志向に焦点を移すことが、より実践的で効果的なアプローチとなります。

 

 

「なぜ?」に代わる問いかけ

では、「なぜ?」に代わりどのような問いかけが効果的でしょうか?

ここでは、未来志向の「目的論」に基づくアプローチがが有効です。以下のような質問を使ってみましょう。

 

  • 「何が自分にそうさせたと思いますか?」
  • 「今、どうすれば前に進めると思いますか?」
  • 「どんな行動がこの状況を変えるために役立ちますか?」
  • 「何ができたら、自分にOKを出せますか?」
  • 「目標に向けて、今できそうな具体的なステップは何ですか?」

 

この質問群は、自分自身の力で前向きな行動を見出し、自己解決能力を高めるためのサポートとして非常に有効です。

 

その有効性は、単に「あなた自身が問題の原因ではない」と伝えるだけでなく、問題に直面した際に「何ができるか?」を問いかけ、自ら行動変容のための「種」を見つけ出すサポートをする点にあります。

 

 

 

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メンタルサポートにおける目的論の活用方法

 

目的論が有効なわけ

例えば、大切な試合で自信を失い、練習どおりのプレーができなかったとします。

試合後、コーチや仲間との会話で「その原因はミスするかもという怖さで体が固まってしまったからだね」と指摘されます。もちろん、本人もその通りだと感じるかもしれません。

しかし、心の中では「自信を持ってプレーしようとしたけど…」と思っていることでしょう。なぜなら、選手は誰も初めからミスするつもりでプレーしているわけではないからです。

 

ここで重要なのは、「怖さが原因で体が固まったなどの原因を追求すること」ではなく、「試合で自信を持ち、練習通りのプレーをすること」という目的です。

 

原因を探るだけでは、試合での自信やパフォーマンスを回復することにはつながりません。

もちろん、「次回の試合で怖がらないようにしよう」と反省することも大切ですが、それだけでは、今後のプレーに活かせる具体的な対策は見えてきません。

 

 

目的志向のアプローチ:自信を高めるためにどうするか?

目的は「試合で自信を持ってプレーすること」です。

そのために、いくつかの具体的な方法を考えることが必要です。

 

  • 現実的な目標設定

すべて完璧にこなす必要はありません。小さな目標を決め、成功を積み重ねることで自信を回復しましょう。たとえば、ゴルフの場合「1ホールしっかり集中してパーを狙う」といった具体的な行動目標を設定します。

 

  • イメージトレーニング

練習でうまくいった場面を思い浮かべ、その感覚を試合で再現するように意識します。さらに、ミスを想定したメンタルリハーサルも、試合に向けた心理的準備として役立ちます。

 

  • 集中力を維持するルーティン

試合中の集中力はパフォーマンスに直結します。特定の呼吸法やルーティンを取り入れることで、安定したプレーを実現しましょう。

 

 

これらはあくまで一例です。解決策は個々の問題によって異なります。

しかし、目的志向のアプローチを通じて、過去の失敗にとらわれることなく「今できる行動」に焦点を当てることで、次回の試合で自信を持ってプレーするための具体的なステップが見えてきます。

 

 

 

まとめ

「なぜ?」と問いかけることの弊害や有効的な問いかけについてお話しました。

一つ言えることは、「なぜ?」と問いかける側には、必ず愛や思いやりがあるということです。相手を良くしたい、共に解決策を探したいという真摯な気持ちが背景にあります。

しかし、その問いかけ方を少し変えることで、さらに有効な解決策を導き出すことができるのです。

 

未来に焦点を当てた質問をすることで、職場やクライアント、アスリートがより前向きに行動を変え、目標を達成する道筋を見つけることができます。

過去の原因を追求するだけでなく、未来に向けて「どう進むか」を問うことの重要性を意識し、行動目標を設定することが大切です。

 

 

具体的な行動目標設定を行いたい方は、ぜひクリスタルブランカのメンタルサポートをご活用ください。

私たちのサポートでは、目標達成に向けての具体的なアクションプランを一緒に考え、さまざまなツールを使い実践をサポートします。

一歩踏み出すことで、目標達成への道がさらにクリアになります。

 

ご興味がある方は、こちらのよくあるご質問をご覧ください。

 

 

 

 

 

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2025/01/26  Crystal Blanca