色彩は、「想い」を反映する
昨日は、関東大震災(1923年9月1日)から100年。
9月1日は「防災の日」ということで、大阪でも880万人一斉避難訓練とし、スマフォの音が鳴り響きました。
東日本大震災から12年目ということもあり、改めて震災と色彩の関係をリブログします。
「日経デザイン 2011年7月号」の震災後のカラー調査では
- 震災前は多くの人が「青」を好んでいた
- 震災後は「緑とピンク」に好みが移っている
本誌の過去の調査によると(本文より抜粋)
「全体的な色の好みを見ると、震災前は多くの人が青を好んでいたが、震災後は緑とピンクに好みが移っている。本誌の過去の調査によれぱ、緑には親しみやすさや安心感を見る人に感じさせる効果があることから、有事の直後に好まれる傾向が高かったようだ。そしておそらくピンクは人々がきずなを求めるときに好まれる色だと言うことなのだろう。(後略)」
と結論。
データ:日経デザイン2011年7月号「カラーデザイン2011 明るい暮らしを示せるのは何色?」より出典
では、ここからは私の考察です。
緑は、黄緑に近い色
ピンクは、マゼンタピンクのような深い色合いのものであり、薄い色合いではない
ということで、2色に共通している心理的意味合いは「優しさ」と「愛」です。
「自分の愛を傾けられる人が誰なのか?」
「自分の心を優しく、豊かにしてくれるものは何か?」
震災はこれらの問いを考えるきっかけとなったかもしれません。
また、日常の平穏さに感謝することにもつながった考えられます。
そして、震災から3ヶ月後の黄色や、オレンジの割合が増えていることも見逃せません。
2色に共通している色彩心理の意味合いは、「明るさ」や「楽しく生きる」
「ふさぎこんではいられない」
「前向いて、生きなくては!」
そんな想いや決意を抱いていたのかもしれません。
黄色やオレンジは、光にむかって前進をすることを象徴する色でもあります。
暗く落ち込んでいるときには、眩しい、ときには暑苦しいと感じる人も多い色です。
「今の自分よりもさらに成長したい」などの想いも感じられます。
あれから、12年。
被災者の方が、明るい未来を感じる日々を過ごされていらっしゃることを願います。
犠牲者の方々心よりご冥福をお祈りいたします。
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