「集中力」と「リカバリー力」を高める香りの作用
ー 目 次 ー 「集中力」と「リカバリー力」を高める香りの作用 アスリート向けブレンド 精油(エッセンシャルオイル)について |
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アロマテラピーは、日々の生活に心地よさをプラスするだけでなく、アスリートのパフォーマンスやリカバリーをサポートする強力なツールです。
ゴルフアカデミー生やサポート受講生からよくいただく質問のひとつが、「どのアロマがスポーツやトレーニングに効果的なのか?」というものです。
日本アロマ環境協会のインストラクターとして、これまでの経験と知識を活かし、アスリートに役立つアロマのレシピをご紹介します。
アロマの力を上手に取り入れることで、心身のバランスを整え、より良いパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。
今回は、トレーニング前の集中力向上や運動後のリカバリーに役立つとされるエアスプレーのレシピをご案内します。
アスリート向けブレンド
必要な材料
- マジョラム精油: 8滴
- ローズマリー精油: 12滴
- ユーカリ精油: 8滴
- レモングラス精油: 5滴
- 精製水: 150ml
- 無水エタノールまたはウォッカ: 15ml
- 遮光スプレーボトル(200ml)※茶色が理想
無水エタノールが入手しにくい場合は、薬局で購入できる「消毒用エタノール」で対応するこも可能です。
「100ml中、エタノールが83ml含有します」など<用法や用量に関連する注意>に記載されています。
精油の濃度は、アロマ環境協会が推奨する「1%」にしています。
1滴の精油:約0.05ml
※下記「精油の効果を最大限に引き出すために」をご参照ください。
作り方&使い方
- 1. スプレーボトルにエタノールまたはウォッカを入れます。
- 2. マジョラム、ローズマリー、ユーカリ、レモングラスの精油を加えます。
- 3. 精製水をボトルに注ぎ、蓋をしっかり閉めます。
- 4. 使用前にボトルをよく振ってから、運動前後の空間や、リラックスしたいときにスプレーしてください。消臭作用もあるため、ウェアやシューズにも使用できます。
- 5. 2週間程度で使いきってください。
※香りはお好みです。精油の滴数をご自身で調整してください。
ブレンドの効果
アロマオイル | 主な効果 |
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マジョラム | リラックス効果があり、筋肉の緊張を和らげます。運動後のリカバリーに適しています。 |
ローズマリー | 試合前の集中力を高め、精神をクリアにする効果が期待できます。また、筋肉痛の緩和にも役立ちます。 |
ユーカリ | 呼吸器系をサポートし、空気を清潔に保つ効果があります。トレーニング中の集中力アップや、呼吸を深くするのに役立ちます。緊張すると呼吸が浅くなる傾向があるため、有効的です。 |
レモングラス | 気分をリフレッシュし、疲労感を和らげる効果があります。また、消臭効果もあるため、トレーニング後のリフレッシュに最適です。 |
禁忌事項
精油 | 禁忌事項 | 説明 |
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マジョラム | 妊娠中 | 妊婦の方は避けるべきです。特に初期や後期には注意が必要です。 |
乳幼児 | 乳幼児には使用を避けることが推奨されます。 | |
アレルギー体質 | 個別のアレルギー反応に注意が必要です。 | |
ローズマリー | 高血圧 | 血圧を上昇させる可能性があるため、高血圧の方は避けるべきです。 |
妊娠中 | 刺激性があるため、妊婦の方は避けるべきです。 | |
てんかん | 神経を刺激する作用があるため、てんかんを持つ方も避けるべきです。 | |
ユーカリ | 乳幼児 | 乳幼児には使用を避けることが推奨されています。呼吸器系への影響があるため、特に注意が必要です。 |
妊娠中 | 妊娠中の使用には注意が必要です。医師と相談の上、使用することが推奨されます。 | |
喘息 | 呼吸器に刺激を与える可能性があるため、喘息を持っている人は注意が必要です。 | |
レモングラス | 妊娠中 | 妊娠中の使用は避けるべきとされています。特に初期には注意が必要です。 |
皮膚刺激 | 高濃度で使用すると皮膚に刺激を与える可能性があるため、希釈して使用することが重要です。 |
アスリートの場合、これらの禁忌に該当しない限り、ローズマリーは非常に有効です。
特に、「集中力の向上」や「筋肉疲労の回復」に効果が期待できます。
もしローズマリーの使用に不安がある場合や、禁忌に該当する場合は、他の精油に置き換えることも可能です。
たとえば、ラベンダーやペパーミントなどもアスリートに良い影響を与える精油として知られています。
精油(エッセンシャルオイル)について
精油の効果を最大限に引き出すために
アロマテラピーでは、精油(エッセンシャルオイル)を使用して心身に働きかけますが、精油は「油脂」に分類されるため、水に溶けにくい性質があります。そのため、スプレーやブレンドオイルを作る際には、精油を均等に混ぜるための工夫が必要です。
エタノール(無水エタノールやウォッカなどのアルコール類)を使用するのはそのためです。
エタノールは油脂である精油とよく混ざり、水とも混ざりやすい特性を持っています。
これにより、精油が水と均一に混ざり、スプレーなどにした際に効果的に香りを広げることができるのです。
消毒用エタノールは70~80%の濃度が一般的です。
適切な割合でエタノールを使用することで、精油の効果を最大限に引き出し、より安全かつ効果的にアロマテラピーを楽しむことができます。
精油選びのポイント
- 純度の重要性:
100%純粋な精油は、植物から抽出された本物の成分だけが含まれています。これにより、アロマテラピーの効果を最大限に引き出すことができます。一方、混合精油や合成香料が含まれる製品では、期待する効果が得られないことがあります。特に、ボディケアにはおすすめできません。
- 成分表示の確認:
購入する際には、ラベルやパッケージに「100%ピュアオイル」または「100%エッセンシャルオイル」と明記されているかを確認しましょう。また、成分表や製品説明で、使用されている植物名が具体的に記載されているかもチェックすることが大切です。
- 信頼できるブランドを選ぶ:
信頼できるブランドやメーカーが提供する精油は、品質が保証されていることが多いです。よく知られているブランドや、オーガニック認証を受けている製品は、純度が高く、安全性も確保されています。
- 価格のチェック:
高品質な精油は、一般的に価格が高めです。非常に安価な精油には、合成成分や希釈が行われている可能性があるため、価格が安すぎるものは避けるのが賢明です。
- パッケージと保存方法:
精油は光や熱に弱いため、暗いガラス瓶に入っているか、適切な保存方法が示されているかも確認しましょう。適切に保存された精油は、長期間その品質を保ちます。
おすすめブランド
日本でおすすめの精油ブランドはいくつかあります。初めてアロマケアを取り入れる方が、安心して使用できるブランドをご紹介します。
1. 生活の木
- 特徴:
生活の木は、日本で長く親しまれているアロマブランドで、豊富な精油のラインナップを誇ります。オーガニック認証を受けた製品も多く、品質管理が徹底されています。
- おすすめ理由:
信頼性が高く、初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。AEAJアロマテラピー検定1級、2級の香りテスト対応の精油セットも販売しています。初心者の方は、このセットから始めるのも良いです。
2. ニールズヤード レメディーズ
- 特徴:
イギリス発のブランドですが、日本でも人気が高く、オーガニック精油の品質にこだわっています。精油だけでなく、スキンケア製品も人気です。
- おすすめ理由:
エコサート認証を受けた製品が多く、安心して使えることが魅力です。※エコサート:1991年に農学者の団体によって設立された国際有機認定機関
3. ロバートティスランド
- 特徴:
世界的に認知されている英国発のアロマテラピーブランド。オーガニックやエコサートの認証を受けた製品もあり、精油の品質と純度にこだわっています。100%ピュアな精油のみを取り扱っています。
- おすすめ理由:
アロマテラピーの専門家であるロバート・ティスランド氏の豊富な知識と経験に基づいています。信頼性の高いブランドで、プロフェッショナルから初心者まで幅広いユーザーに支持されています。エッセンシャルオイルの純度や品質を重視する方に特におすすめです。
4. 無印良品
- 特徴:
無印良品の精油は、手頃な価格で手に入るため、初心者から気軽に始められるのが魅力です。また、シンプルでミニマルなデザインのディフューザーなどのアロマグッズも豊富に取り揃えています。無印良品の精油は、産地や植物にこだわり、純度の高い精油を提供しています。
- おすすめ理由:
比較的リーズナブルな価格で提供されており、ベーシックな精油からブレンドオイルまで、幅広い種類が揃っており、目的に応じて選びやすいです。初心者の方は、ブレンドオイルから始めるのも良いです。
アロマテラピーを日々のトレーニングやリカバリーに取り入れることで、心身のバランスを整え、より高いパフォーマンスを発揮する手助けになります。
今回ご紹介したレシピをぜひ試して、アロマの力を実感してみてください。
自分に合った香りを見つけることで、さらなるリラクゼーションや集中力アップが期待できるでしょう。
※上記内容の無断転載・複写はご遠慮願います。